註記一覧
- 「特枠印刷」:この呼称は弊社及び関連企業様内での呼称で、正式/学式的なものではありません(業界内では一般的だとは思います)。
- 「1mm以上」:メッシュを枠外側で固定するための接着の糊代(さらにこの接着面をインクの溶剤等から保護するため樹脂テープを上から貼付します)のスペース、また印刷の際必要な版面とワーク印刷面とのクリアランスを得る場合に枠を傾けてセッティングを行う場合、立ち上がり面/突起の上部と枠が干渉しないようなスペースも必要になります。
- 「2mm以上」:枠材の材種や該当部の構造やこの部分の長さにもよります。製版での紗張り工程上の下限は1mmが目安となるようです。また紗張り面となる枠材の端面は接着力低下となるのでフラットに仕上げる必要があります(抜きテーパー/ダレ等は基本的にNG)。(注記5も参照ください)
- 「4mm以上」:版面〜ワーク面のクリアランス確保の意味もありますが、それ以上に安定したスキージングを行うための意味合いが強い値です。ほぼオンコンタクトとなる条件での印刷が可能で、印刷するパターンが小さい/狭い場合はこの寸法を更に詰めることができることがあります。
- 特枠設計では、版枠の剛性(材料/板厚/形状)、作業性/メンテナンス性ということから、加工コストを加味した構造と、実際に製版が可能な形状であることが求められます。
例えば版の剛性についてはメッシュ(紗)のテンション(枠の内側へ引っ張る力)によって反りが大きくなると最悪印刷不可能な状態になりますが、かと言って材厚を増やすと枠内外のクリアランスが狭くなり印刷条件が厳しくなる、というようにバランスをどこで取るかという検討が必要になります。
- 「印刷時の版離れ」:スクリーン印刷はオフコンタクト(印刷版の膜面とワークに一定のクリアランスが必要)印刷手法です。特枠設計にあたり、版離れを確保することは枠の剛性確保を同じく重要要素です。止むなく担保できない時は印刷工程を分けることもあります。
- 「テンションを多少下げて」:テンションとは(先述でもありますが)版に張られたメッシュの張力のことです。ある程度調整することができますが、一般にテンションを下げると版離れや印刷パターンの寸法精度が低下する傾向となります。
- 特枠印刷の技術面と同様に、コストの説明内容についても例外がございます。また当然ながらこれは弊社におけるコストイメージとしてご理解願います。
本記事の、または記事内でコストについて言及する意図としては、製品メーカー設計、デザインご担当様側にてコスト感についてある程度ご理解いたき、また必要であればこれらの情報を設計、デザインをご検討される上でささやかながら援用ソースとしてご活用いただければとの望みからこの内容を掲載しております。予めご了承願います。
- 「印刷治具」印刷時にワークを固定/位置決めを行う固定具。単純な形状のワークへは汎用治具を使用しますが、必要に応じて専用治具を作成します。