光拡散印刷

表示装置などの光源からの光を拡散層を通す事で透過拡散させる機能の事を、ここでは光拡散と呼んでいます。拡散層の形成は色々な手法がありますが、印刷でも行う事ができます。その特徴やメリットをご紹介致します。

リング状のプリズムレンスの発光部(上部ドーナツ状平面)に拡散層を印刷

概要

表示装置などの光源からの光を拡散層を通す事で透過拡散させる機能の事を、ここでは光拡散と呼んでいます。主に点発光の光源を面発光に近づける、光源の眩しさを押える、光源装置をユーザーから隠す、といった用途に使用されています。拡散層の形成は出来合いの拡散シート・フィルム類をトリミングして使用する方法、あるいは型成形・レーザー描画・エッチング・ブラスト処理等色々ありますが、スクリーン印刷ではより細かい設定が可能です。

基本的なしくみ

印刷の方法自体は他一般のスクリーン印刷と同様です。使用するインクとなるものは、フィラー+バインダー+溶剤他というような構成がベースとなります。フィラーは一般のインクの顔料等に相当し、バインダーはこれを印刷層として基材に定着させる樹脂成分です。

拡散させる原理は、このフィラーとバインダーとの屈折率差(印刷層の内部拡散)、また、印刷面の表面にフィラーによって形成される凹凸(印刷面の外部拡散)を利用しています。フィラーは各化学系メーカーより組成や形状、サイズなど色々なものが提供されており、拡散性能への働きも様々です。バインダーは主に、印刷対象となる基材の素材によって種類が選択されますが、用途や求められる拡散性能も選択要素となります。

これらの材料の選択、配合率、また使用する版メッシュ等により拡散性、透過性を調整していきます。

スクリーン印刷で行うメリット・注意点

メリット

  • 部分的な塗布が出来る。
  • 部品形状に加工済みの材料・成型品に対し追加的に拡散層が付与できる。
  • オリジナルの拡散度・透過度を製品毎に設定し易い。
  • 操作パネルのフィルム等、意匠と同様の印刷工程で成膜できるので、利便性が良い。
  • 拡散インクの着色などで、機能、意匠との両立が図られる。

注意点

  • 成膜表面の強度(擦過性等)はフィラー配合率や、バインダー性能によって左右される。
  • オリジナルな拡散性設定を少量で製作する場合、インクの保存安定性等の理由から、拡散度の厳密な設定、再現が難しい。
  • 高い拡散度の設定を広面積に印刷する場合、成膜安定性に欠ける場合がある。

サンプルギャラリー

インクの配合調整による段階的な拡散印刷

透明アクリル板に、3種類の拡散度を持った拡散印刷をしています。印刷では、バインダーとフィラー(拡散機能性粒子)の配合率、フィラー種類の選定などにより、自由度の高い拡散度設定が比較的容易です。

透明アクリル板に3種類の拡散印刷サンプル

パターンによる拡散調整

パターニングにより異なる拡散度を持たせることが可能です。下の写真は左右どちらも一般的なの透明PCフィルムに拡散印刷を行ったものです。左のサンプルは中央付近の拡散度が高く、これとは反対に右のサンプルは中央部分が低くなるようにパターン設計を行い印刷しています。

写真左:両端の拡散度が低く中央が高い/写真右:両端の拡散度が高く中央が低い

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